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ポジティブシンキングの5つの落とし穴

ポジティブシンキングという言葉は誰しも聞いたことのある言葉で馴染み深い言葉になっているように思います。「なんでも前向きに!」「笑顔笑顔!」「成功しているところをイメージして!」など、物事を前向きに捉えること・考えることを一般的に言います。

ちなみに僕はこのポジティブシンキングが苦手です。ポジティブに物事をとらえること自体には賛成なのですが、どうも胡散臭くて、なんでもポジティブに考えることに対して抵抗感すらあります。僕と同じように、無理やりポジティブに考えることが苦手な人もいるかと思います。

今回は「実は安直にポジティブな思考をすることって危険ですよ」っていうお話をしたいと思います。オリバー・バークマン「解毒(The Antidote)」という本が参考基です。大学時代に読んだ本なのですが、これは世に出ているポジティブ自己啓発書をひたすらディスる内容の本で痛快です笑。

無理やりポジティブに考えてはいけない

ネガティブなことが起こった時にでも「前向きに前向きに!!」「ポジティブ!ポジティブ!」っていうのが自己啓発の基本の枠組みであるかと思います。

しかし、社会心理学者で「シロクマのリバウンド効果」でも有名なダニエル・ウェグナーによれば、ネガティブな思考や感情を無理やりポジティブに変えるのは逆効果。これで、ネガティブなことから目をそらそうとすればするほど、否定的な感情に頭が支配されることが立証されております。シロクマのリバウンド効果っていうのは「シロクマのことについて考えないでくださいね」といわれるとどうしてもシロクマについて考えてしまうことです。皆さんも似たような経験はあるかと思われます。

つまり、ネガティブな感情や思考を無理やりポジティブにしようとすると、返って強く意識してしまうこととなり、余計にネガティブな思考に囚われてしまうということにつながるということです。実体験として、僕も本当によくあるので無理やりポジティブは本当に危険。

で、この現象に対策するためには「マインドフルネス」の練習が有効的といわれています。ネガティブな感情を押さえつけようとするのではなく、感情の波が過ぎさるのを待ったり、自分の感情を紙に書き出したりしてその感情をどう変えたいか、そのためにはこの感情をどうとらえればいいのかを考えることが良いとされています。

大きな夢や目標を持とうとするのは危険

また、ポジティブシンキングにつきものな目標設定などでも同じようなことが言えます。「目標は高く!」「夢は大きく!」って安直なポジティブ思考は危険なんですね。

有名なのは2009年にハーバードビジネススクールが出した論文(R)で、これによると目標設定は視野を狭くするし、モラルを下げちゃうし、モチベーションも低くするしで、不の連打。バークマンさんによれば、エベレスト登山で遭難するケースの大半が「目標設定にこだわりすぎた」のが原因なんだそうです。

立てた目標が大きすぎると実現可能性が見出せなかったり、実際に達成した気持ちになったりすることが生じちゃうんですね

さらに、目標設定にこだわる人は「夢にあふれてる」わけじゃなくて、単に「先行きが見えない不安」に動かされているケースが多いのも問題なんだとか。皮肉なもので、「目標がないといけない」「成し遂げたいことがないといけない」という焦燥感からくるものなどは逆効果になるってことですね。

仕事を楽しもうとしてはいけない

これも「シロクマのリバウンド効果」と似ていますが、楽しくもない仕事などい無理やりポジティブに「楽しもう!」とか「情熱を持とう!」とか考えてもムダ。かえって仕事のつまらなさが際立つだけになってしまいます。

対策はこちらも「マインドフルネス」的な思考で「仕事を楽しめない自分」を細かく認識したうえで受け止める。それはそれ。仕事は仕事。などと割り切ることが大切。もし、どうしても仕事を楽しんでやりたい!!っていう人は「ジョブクラフティング」の考えがおススメですので「科学的な適職」という本を参照してみるのがいいかもしれません。

自尊心にこだわらない

「自分に自信をもって!」っていうのは自己啓発書のお決まりのフレーズなのですが、自尊心自体の高さにこだわると、失敗を許さない気持ちになる傾向が非常に高いです。自信を保つための努力をしようとして、メンタルがかえって擦り減っちゃいます。これは僕の身の回りにもよくいるので非常に悲しいです。

あくまでも行動と自己は区別して、自己を卑下することなく行動のみを見て「良かったか」「悪かったか」を見ることが大切になってきます。「こんなことをする自分なんて…」となりがちな人は自己と行動を切り離して、「良かったと思える行動にするためには何が必要だったんだろう?」って考えてスモールステップで改善することが吉。

ネガティブな人を避ける必要はない

「ネガティブな人とは関わらない方がいいかもよ」とか、「ネガティブな思考をする人ってホント嫌だ!」なんていう人がいます。概ね賛同するのですが、これも一方的にダメだと決めつけるものでもなさそうです。

最悪悪の状態を考えることで逆に未来に対する不安は減るということが分かっており、必ずしもネガティブ思考が悪いわけじゃないことが言われています。これは「防衛的ペシミズム」と呼ばれる現象です。セネカやエピクテトスといった古代ギリシャの哲学者たちも使ったテクニックといわれております。

ちなみに「防衛的ペシミズム」はビジネスの世界では「エフェクチュエーション」って理論化されています。事業内容がどれだけ成功するかどうかより「どれだけ損失や失敗に耐えられのか?」っていうを最初に考えたほうがいいそうです。負け内容に戦略を考え、失敗の要素を潰していくのには多少の悲観的な思考も必要になるってことですね。

つまり、自分がめっちゃポジティブ人間の場合とか、周りがポジティブ思考ばかりの人で埋もれている逆にリスクが高まってしまうと考えることもできます。

サマリー

いかがでしたでしょうか。今回紹介した5つのポイントは改めて認識し直すと、正しくポジティブシンキングを捉え直せるかと思います。簡単いさまると、

サマリー

安直なポジティブシンキングは危険ということです

もちろんポジティブシンキングのメリットを実証する研究もたくさんあります。
しかし、「ポジティブシンキングってとりあえずいいんでしょー!なんでもポジティブに考えよ!」っていうのが目立ちます。

それは目の前の現象や自分自身のことを深くとらえようとしない、いわゆる「逃げの考え、姿勢」です。しっかりと物事を観察したうえで最適な判断をすることが必要であります。

ポジティブシンキングの反面も知る機会になれば幸いです。